チームコーチの重要性をティール組織の事例から紐解く
目次
ティール組織の特徴
ティール組織には以下の3つの特徴があると言われています。
1つ目が「自主経営」で、「上下関係ではない新しいカタチの組織構造である」ということ。
2つ目が「全体性」で、人をコマや歯車のように扱う機械的な組織ではなく、「一人ひとりがありのままで働ける、安心安全で本領を発揮できる環境をつくっている」という特徴です。
3つ目が「存在目的」で、企業の目的が生存と最大化になっている中、「わたしたちは、どんなギフトを世の中に提供できるのか」ということを常に探求し続けているというイメージですね。これも誤解が多いのですが、「ミッション・ビジョン・バリュー」のように事前に定めた戦略ではなく、組織で色々なことを試行錯誤しているうちに「このためにやっていたんだ!」と後で気付くような感じのもので、しかし確実にわたしたちに根付いている、そういうものを「存在目的」と呼びます。
日本でも「ティール組織」が広がっていく中で、「ノールールがティール組織だ」というような誤解があったりしますが、世界中のティール組織を見ると、全然ノールールではなくて、様々な仕掛け・仕組みがあります。組織によって違いはありますが、割と共通する仕組みをリストにしたので、それを見ていきたいと思います。
- 「リーダー、マネジャーを置かない」という組織は結構あります。流動的で柔軟に変えられる仕組みも多いです
- 意思決定プロセスが、会議や上司によるものではなく、アドバイスは求めるけれども最後は個人が自分で決められる「助言プロセス」を導入しているところも多いです
- 採用は採用部門だけで行うのではなく、働く仲間が自ら採用に乗り出して行うというところも多かったりします
- コーチとかメンターという存在もよく聞きます。そして今日のテーマであるチームコーチもよく聞く存在です
- 「ストーリーテリング」という、ロジカルな話だけではなくて、一人ひとりの働いている人がストーリーを語る場面が多い印象です
- 最近流行りのマインドフルネス的な内省の空間・場所や仕組みというのも、取り入れている組織は割と多いです
- 華々しい「ミッション・ビジョン・バリュー」を明文化して掲げて、それに基づいてバラバラになりそうなメンバーをまとめたり、強制的にこっちの方向に行かせるというようなコントロール感はなく、みんなが「何のために自分たちの組織はあるんだろう」と存在目的を考え続けることを実践している組織が多いですね
以上が、ティール組織によく見られるパターンです。今までのやり方が「性悪説」に基づいて、多くのルールやプロセスがあったものが、ティール組織では「性善説」ベースで最小のルールやプロセスになっていることが特徴です。